CRM(顧客関係管理)とは
CRMはビジネスをサポートするシステムという点ではERPと似ていますが、CRMの概要を知ると大きな違いがあることがわかります。ここからは、顧客関係管理とも呼ばれるCRMの概要や役割、主な機能、導入するメリットなどについて解説します。
CRMの概要
CRMとは、Customer Relationship Managementの略称であり、顧客管理システムのことです。企業がこれまでの顧客との関係を改善したり、新たな顧客をスムーズに獲得したりするための手法や考え方としても知られています。
CRMの市場規模は2027年に900億米ドルを超えると予測されており、今後も企業のビジネス活性化の手段として、ますます注目されるでしょう。
CRMの役割
CRMの役割は、顧客情報の管理によって企業の売上拡大を目指すことです。
「80:20の法則」や「パレートの法則」と呼ばれる考え方があります。これは、「20%の構成要素に成果が集中する」という考え方で、この法則を踏まえると、企業の売上も20%の顧客の満足度によって大きく左右されると考えられます。
顧客の満足度を高めるためには、顧客が求める製品やサービスを提供しなければなりません。そうした顧客の願望や顧客が抱える課題を知るカギは、情報管理が握っています。
顧客情報を合理的に管理できるCRMは、企業の売上を拡大するために不可欠な存在といえるでしょう。
CRMの主な機能
CRMの代表的な機能として挙げられるのが顧客管理機能です。顧客管理機能によって、顧客の年齢や性別、連絡先などの基本情報から、製品やサービスの購買日・購買頻度といった購買記録まで管理できます。
中には名刺を読み取って顧客情報をデータ化して管理できるツールや、社員間で顧客データを共有できるコメント機能を搭載したツールなどもあります。
また、問い合わせ管理もCRMの代表的な機能の1つです。顧客からの問い合わせをリアルタイムで閲覧し、回答できます。問い合わせ内容はデータベースに蓄積されるので、そのデータを製品やサービスの品質改善にも役立てられるでしょう。
そのほか、商談管理機能やメール配信機能、売上予測機能などもあります。このように、CRMを導入すればさまざまな機能によるビジネスのサポートを受けることが可能です。
CRMの導入メリット
CRMは各部門にまたがる顧客情報の共有を実現し、各部門にさまざまなメリットをもたらします。
例えば、マーケティング部門ではCRMによって優良顧客のデータを解析できます。自社と相性のよい顧客の特徴を把握すれば、今後のターゲットを絞りやすくなるでしょう。
営業部門であれば、マネージャーがCRMを通して各担当者の案件の受注確度(商品・製品を導入してもらえる可能性)や受注見込額などを把握できます。これにより、顧客へのアプローチに対して適切なフォローができるでしょう。
カスタマー部門では、問い合わせを受けたときにCRMで顧客情報を確認できるため、情報不足による誤った対応を防止することにつながります。